S様のお宅は、お子様が独立されてご夫婦だけの生活になったことで、マンションのリフォームをされました。その際にキッチン脇のカウンターをご注文いただいたことがご縁で、今回たくさんお持ちの本を収納できる家具が欲しいということでご相談いただきました。

出来上がりを見ますと、そんなに特徴が無いように見えますが、実はかなり考え抜いて出来たこだわりの収納となっております。

・上部の扉の付いた吊り戸棚は、本をたくさん入れても問題ないように合板で頑丈に作りました。可動棚はもちろん、耐震ラッチもつけて実用性と安全性もバッチリです。扉の中はいわゆる「白ポリ」といわれる真っ白な化粧板ですが、外側につきましては壁紙の色に合わせてたくさんある白っぽい色の中から奥様がチョイス。アイボリーといってしまえばそうなんですが、皆様が思っている以上に微妙な色違いがたくさんあるんです！その中から選ばれた色が壁紙とマッチ！真っ白だったらこうはなりません。色の力恐るべしです。扉を開けるとその違いがよくわかるんです。

・次に吊り戸棚と一体型の見せる収納の本棚。何巻もあるちょっと見せたい本を置くのに便利です。後付けでは本の重量で取れてしまう恐れもあり心配ですが、これは上部の吊り戸棚の側板がつながっているのでとっても安心で綺麗に仕上がっております！こういうところが特注家具の醍醐味ですね！

・そして、カウンターは「多摩産材の杉」を柾目の幅接ぎ集成で作製しました。これはキッチン脇のカウンターとお揃いです！同じフロアにあるので統一感があって素敵です。下部にはシナベニヤ合板で作った本を収納するキャスター付きの箱を4台設置しました。2台だけは上部にちょっとした小物が入れられるように落とし蓋をつけました。実際に重たい本をびっしり入れていただいてもキャスターが楽々動かせるしっかりした作りと、引き手のバーも色々見ていただき引っ張りやすい少し幅広のものを選ばれました。シナベニヤと侮ることなかれ！正面の板には綺麗にウレタン塗装を施しているで、とってもきれいなんです！そして、天板の中央奥には間接照明がセットできるようにしました。この時はとりあえずのものをセットしてありますが、この後奥様が変更されていると聞いております。吊り戸棚の下にはピクチャーレールを仕込んでありまして、四季折々で書や絵を飾ったり、カウンターの上も色々と展示されるようです。又、ご主人様が書をたしなまれていらっしゃるとのことで、このカウンターで作業をされる予定だそうです。実際に使われはじめましたら皆様にもご紹介したいと思います！奥様のセンスが光るコーナーになること間違いなしです！！